みなさんは

「　デートDV（ドメスティック・ヴァイオレンス）　」

という言葉を聞いたことがあるでしょうか？

DVという言葉はだいぶ広がってきましたが・・・

「　デートDV 　」

は知らないという方も多いのではないでしょうか？

早速、答えていきます。

デートDVとは・・・

「　カップル間で起こる暴力　」

のことです。

実は・・・

この「　デートDV　」も、最近、増加しています。

中学生や高校生、また大学生の中でも、増えてきているのが現状です。

令和3年3月に内閣府男女共同参画局の行った調査によると・・・

『当時の交際相手から“身体的暴行”“心理的攻撃”“経済的圧迫”“性的強要”のいずれかの被害を受けたことが「あった」者は12.6％で、女性が16.7％、男性が8.1％であった。また、性・年齢階級別にみると、女性では20～29歳から30～39歳で25％以上、男性では30～39歳で15 ％以上と被害経験が多くなっている』

と報告されています。

このデータから特に注目すべきことは・・・

交際経験のある20代〜30代の女性の4人に1人はデートDVを受けたことがあると答えている点です。

多いですよね・・・

その多い背景には・・・

単純に、デートDVについて、情報を知らないということが一因であると考えられます。

「　殴られたり、蹴られたり、暴力を受けていないから、私たちは大丈夫　」
「　私は愛されているから、こんな束縛をするはず　」

本当にそうでしょうか・・・・？

本日は、

「　デートDV 　」

について、詳しく解説していきます。

この記事を読んでくださっている皆さんは、こんな風に思っていませんか？

「　付き合っているのなら、スマホのチェックするのは当たり前　」
「　恋人同士なら、位置情報アプリで、お互いの場所を常にチェックするのは当たり前　」
「　愛しているのなら、自分以外の異性と話をしない・連絡を取らないのが当たり前　」

よく聞きそうなことですが・・・
果たしてそうなのでしょうか・・・？

実は、これら全て・・・

「　デートDV 　」

の可能性が高いです。

「　付き合っているなら、◯◯◯するのは、当たり前　」

この考え方、非常に危険です！

上にあげたこと、全てが・・・

「　こころの暴力　」

です。

パートナーの事を尊重し、相手の時間や意思、こころを大切にすることがとても重要です。

パートナーも1人の人間で、しっかりとした意思があります。
嫌なものは嫌なのです。

束縛することは決して、愛情ではありません。

その事を常に考え、パートナーと接することが大切です。

「　付き合っているのなら、デート代は、相手が払うのが当然　」
「　どうせ結婚をするのだから、パートナーの貯金を使ってもいい　」
「　同棲しているが、相手の方が稼ぎがいいから、相手が払うのが当然　」

これらの考えはどうでしょうか・・・？

お金の件に関して・・・

実は、カップル間で、一番話し合いにくい事なのです。

お金のことに関して、言いたいことがあるけど・・・
言えない・・・

こういった相談はよく聞きます。

お金のことに関しても同様で、パートナーのことを思いやることが必要です。

「　相手が払って当たり前　」
「　結婚したら、どうせ2人のお金なんだから、使って当たり前　」

この考え・・・

間違っています。

上にあげたことは・・・

「　経済的な暴力　」

です。

お金のことに関しても、話をしにくいですが・・・・

しっかりと話し合いをすることは、とても大切です。

相手のお金は相手のもの。
自分が使ってもいいということはありません。

相手の意見を尊重し、お金の出し合いについて決めておく。

これも・・・

デートDVにならないために必要な事です。

「　愛し合っているのだから、会う度に性行為をするのは当たり前　」
「　毎回、会った時と、帰る時には、キスするのが当たり前　」
「　付き合っているのだから、性的な画像を送って　」
「　どうせ、結婚するつもりだし、避妊をしなくてもいいでしょう　」

あなたは、こういった行為をしていませんか？

相手のことが好きであれば、嫌でも従ってしまいがちです。
性的なことに関しても、とても言いにくいことですし、断りにくいことです。

上にあげたことは、全て・・・

「　性的な暴力　」

です。

「　本当は嫌だけど・・・断ったら、嫌われるかもしれない・・・　」
「　嫌われたくないから、従わないといけない・・・　」

こう思ってしまっている人も少なくありません。

嫌な時は、しっかりと断る。
断られても、相手の意見を尊重し、分かったと言える。機嫌を悪くしない。

これができている人、意外と少ないのではないでしょうか・・・？

知らず知らずのうちに・・・

「　デートDV　」

になってしまっているかもしれません。

ここで・・・

実際に相談があったデートDVの事例について、紹介していきます。

相談してくれたのは、彼女にDVをしてしまった22歳男性、専門学生Aさん。

普段からイライラすることが多く、少しのことでキレてしまうことを、彼女から指摘されていました。
例えば、車を運転している時に、横入りをした車に激しく文句を言ったり、約束を守らない友人に対して、厳しく叱責したり。。。

彼女にはキレることはありませんでしたが、イライラしてしまう彼の様子に、彼女はカウンセリングを受けるよう促していましたが、「そんな必要はない」といつも彼女の意見を無視していました。

あるとき、彼女がAさんに嘘をつき、男友達と出かけていたことが分かり、その彼女の言動に腹を立て、彼女のスマホに無理やり、位置情報アプリを入れ、彼女を監視するようになりました。

毎日、何をしているか逐一報告させ、彼女の行動を把握しないと不安で押しつぶされそうになり、苦しい。
こうなってしまったのは、彼女が嘘をついたからだと彼女を責め立て、苦しめていました。

彼女はそういったAさんの行動が嫌になり、徐々にAさんから気持ちが離れていき、半年後には、別れを切り出され、別れることとなりました。

「別れた原因は、AさんのDV行為」。

そう彼女からはっきりと言われ、自分は変わらないといけないとカウンセリングを決意。
そういった経緯があり、私のところに相談に来ました。

カウンセリング開始時、

「自分は浮気をされた被害者であり、それが原因。私は悪くないのになんで、別れないといけないんだ。納得がいかない」

と自分が被害者であると、延々と語りました。
そういった気持ちになってしまった、Aさんの気持ちを理解しつつも・・・

「なぜ、ここに来てくれたのか？」

と尋ねると、

「DVを治したいから・・・」

と答えてくれました。

「そういった気持ちになるのも理解はできますが、今のまま話を続けていて、DVは治るでしょうか？」

と質問すると、ハッとした顔になり、

「DVを治すためにここへ来ました。よろしくお願いいたします」

と言い、DVを治すためのカウンセリングをスタートさせました。

そこから約１年。。。。

毎月、カウンセリングを実施し、DVを治すためのワークや課題をしっかりと取り組み、彼女もその変化を認め、復縁することとなりました。

Aさんは今でも、DVになっていないか、自己点検をするため、定期的にカウンセリングに通っています。
今のところ、DV行為をすることなく、彼女ともお付き合いを続けています。

Aさんから・・・

「カウンセリングに通い、自分の考え方のクセや暴力になってしまうメカニズムが分析できた。これからもカウンセリングに通い、DVにならないよう気をつけて、いつか彼女と結婚したいと思っている」

とのこと。

真面目に課題に取り組み、変化をしていったAさん。私もカウンセラーとして、引き続き、Aさんの変化のサポートをしていく予定です。

実際にあった事例の紹介でした。